【小説】黄金の烏(あらすじ・感想)阿部智里
阿部智里『八咫烏』シリーズ第3弾!!!!
真の金烏とは何ぞや・・・
宗家に伝わる謎・不知火の謎・山内下界外界の謎
・・・今解き明かされる謎謎謎
*本書背表紙のあらすじ*
人間の代わりに「八咫烏」の一族の住まう世界「山内」で、仙人蓋と呼ばれる危険な薬の被害が報告された。その行方を追って旅に出た 日嗣の御子たる若宮と、彼に仕える雪哉は、最北の地で村人たちを襲い、喰らい尽くした大猿を発見する。生存者は、小梅と名乗る少女ただ一人ーーー・八咫烏シリーズ第3弾。 解説・吉田伸子
*序章のあらすじ*
あたしがそれを手に入れたのは、ほとんど奇跡みたいなものだった
名前のでてこない女の子「あたし」と自称する湖に面した街の、裏通りにある酒場の、下働き。そのこは、ある日酒場の女主人に貴族たちの住まう区域である山の手へお使いを任せられる。
「あたし」の住む酒場とは比べ物にならないほどのすばらしい場所、育ちのよさそうな人、使用人でさえ自分の服よりも良いものを着ている。そんな山の手では、身分の差が顕著に表れる場所なのだと痛感する。
そこで出会った、芍薬と見間違うほどの美少女。その子が落とした美しい蒔絵の書かれた櫛を拾う「あたし」。その櫛をその美少女へ届けた折に与えられたもの、それが、可愛らしい、海棠の花を模した簪であった。
自分の身分を顧み、それを改善しようと心に誓った矢先、、、。
自宅に帰った「あたし」を待ち受けていたのは、身売り商の風体の悪い男たちだった。逃げようとした「あたし」は髪の毛を掴まれ無理やり引きずり家の中に。
「大人しくしろ、お前の父親は、もう金を受け取っているんだ」
「潔く諦めな」
「お前は、俺達に買われたんだよ」
戸口から逃げるように去っていく父の姿が目に入り、 あばれ叫ぶ。暴れた際に落ちた花かんざしが、毛むくじゃらの足にぐしゃりとつぶされ、無残に飛び散る簪のかけら。転がっていく海棠の花の花弁にあしらわれていた珊瑚の玉。最後まで見届ける前に、黒い影が覆いかぶさってきた。それ以上は何も見えなくなっていしまった。
転がっていった珊瑚の行方は、今もわからない。
ここから始まる数々の問題を解決するために
若宮率いる雪哉たち一行は動き出す。
ぜひ読んでみてくださいね!