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【創作小説】なつかしき空の旅

私は今、どこにあるのだろうか。

カタルシスの影に隠れているその小さな小さな旅のかけらを探しに出かけようではないか。

 

さあ、空の旅に出発だ。

 

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ここから始まるお話は、手のひらの中のお話です。そしてあなたの心の中のお話です。

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私は、今どこにあるのだろうか。

あそこ?ここ?どこだろう。

 

目が醒めるとすぐに思い出す。気だるげな憂鬱。あの空の彼方から降ってくるようなあの憂鬱。ふと思い出す。あの綺麗な夜空から降ってくるかのような大興奮。綺麗な夜空から。

 

それは。

 

星屑?それとも、流星群?

 

きらりきらりと舞い落ちる。

星のかけら?

 

わたしは、見たのだ。

あの世の中の星を。

 

一面に散りばめたかのような、星屑たちの残り香を。

 

目に映るのまではないって?

いいや、映るんだよ。

 

って、お父さんは言ったんだ。

 

 

お父さん入ったんだよ。あの世の中に。

この世の中にはある不思議な夜空に。

ぼくはおもう。

 

お父さんは星屑を拾いに行ったんだって。

ぼくはおもうんだ。

 

そう。あの、いちめんの、夜空から降って湧くような光の粒を。ひとつひとつ、拾い集めていくんだ。

 

星屑の住民たちはなんて言ったと思う?

 

お父さんは、言った。

 

ぼくは、いっしゅんのひかりだ。と言ったのだ。

 

お父さんは、思うに、ほしぞらのなかに住民はいないんだよ。

 

 

なんてこたあない。ほしくずだからね。

 

きらりきらりと光り輝く粒子みたいなもんさ。

わかるかい?

 

ぼくは、とう。

お父さんは、ほしくずのじゅうにんだって。

 

なんだいそれは、と微笑う父。

 

ほしくずのじゅうにん。

 

星の絨毯を編むんだ。

 

そのため、ほしくずをあつめているんでしょう?

 

お父さんは言う。ははは。

それはそうだな。

 

でもね、効いておくれ、お父さんにそんな力はないんだ。

 

 

お父さんは言う。

そんなことはないんだって。

 

ぼくはとう。

お父さんには不知火を食べる力はあるでしょう。

 

ぼくはみたんだ。

不知火。

 

 

なんだって??

不知火を食べるだって??

 

お父さんは問う。

 

ぼくは、知ってる。

 

 

お父さんには、不知火を食べる力があることを。

 

 

きらりきらりと光る光。あきらかに、あからさまな嘘。

 

 

お父さん、ぼくは知ってるよ。

 

不知火。

 

 

きらりきらきら輝く鉱物。

その中にあるんだって。

 

 

ぼくはしらないよ。

 

ぼくはしらぬ。

 

星屑たちの行進だ。

 

 

きらりきらきらひかるもの。

 

それが不知火なんだ。

 

ぼくは思うんだ。

 

 

さて、手のひらの中のお話はこれでおしまい。

きらきらりん。